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外資系セールスマンの備忘録

意識低い系外資系サラリーマンの海外旅行記やノマド術を紹介

無信仰の日本人の宗教観は変わっているのか?

雑記

外国で暮らしていると話題にあがるのが各個人の宗教観の話です。
どこの宗教を信仰しているかってやつですね。

しかし、日本人を見ていると
「うーん。無信仰だよ」「仏教とだけど何も知らない」
といった返答をしている方がほとんどです。

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日本人の宗教観は他国から見ても奇怪なのか?

私はマレーシアに住んでいたこともあり、
仏教イスラムヒンドゥーが混在している文化の中
日々の生活を送っていたことがあります。

多民族かつ多宗教な国家なので、相手がどの宗教を信仰していても
しっかりと受け入れてくれる寛容な国でした。

しかし、ことさら日本人は「無宗教だよ」って安易に答える方が多く、
「ん?じゃあ何を糧に生きているんだい?」と不思議な顔をされていました。

こちらの統計をごらんください。
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Photo by Diamond Online

これは2008年のISSP調査からです。
意外だったのがドイツ・チェコ・フランスといった国が神の存在を信じないと回答している方が多かったこと。
ちゃんと知識はありそうですけどね。

統計によると日本人は、神の存在は気分によって信じるときも信じないときもあるということですね。
どちらでもよいと考える点が日本人の特徴なのでしょう。

神仏については、はっきりさせることもないとする精神性は、日本では古来のものらしい。吉田兼好は「徒然草」で次のように言っている。

“世に言い伝えていることは、真実では興味のないものなのか多くはみな虚言(そらごと)である。(中略)ともかくも嘘の多い世の中である。それ故、人があまり珍奇なことを言ったら、いつもほんとうは格別珍しくもない普通の事に直して心得てさえおけばまちがいはないのである。下賤な人間の話は耳を驚かすものばかりである。りっぱな人は奇態なことは言わない。こうはいうものの、神仏の奇跡や、高僧の伝記などを、そんなふうに信じてはいけないというのとは違う。これらは、世俗の嘘を本気で信じるのも間抜けだが、まさかそんな事実はあるまいと争論したとてはじまらないから、だいたいはほんとうのこととして相手になっておいて、むやみに迷信したり、またむやみに疑い嘲ったりしたりしてはならない(73段)
http://diamond.jp/articles/-/97616?page=4

日本人は宗教心の薄い国民なのか?

日本人は神に対する認識が、曖昧であり対して重要視していないと思われる。
では、日本人は他国に比べて宗教色の薄い国民なのでしょうか?

以下の表は日本人の宗教心の推移をあらわしたものです。
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Photo by OnlineDiamond

結果は、「信仰や信心をもっている」はほぼ3割前後、「宗教的な心は大切」はこれを大きく上回る7割前後であり、両方とも、ほぼ横ばいか、やや低下気味の推移といえよう。大きな変化が起っているようには見えない。宗教心については年齢とともに高まる加齢効果があるので、高齢者比率の増加により回答が上支えされているのは確かであるが、戦後いろいろな面で大きく変わった日本人の意識の中では、あまり変わらない項目と考えることができる。

「信仰や信心をもっている」より「もっていない」人が多い、すなわち無宗教の人が多いにもかかわらず、宗教心は大切にするのがどうやら日本人の不変の考え方のようである。

これって日本の道徳教育が関係しているのでしょうか?
なんだかんだで、土着的信仰が強いんでしょうか?
そうなると、一神教のような強い信仰は日本では受け入れづらいのかもしれません。

もっとも、土着信仰の上に既存宗教がいろいろミックスされてる感はありますよね。
もっとも、いまの日本人に「神話」と尋ねたら、ギリシア神話が出てくるでしょうし、
「天国」というと、キリスト教のものを想起するでしょう。

しかし、初詣なんかには神社仏閣に行って新年を祝ったりもします。
それなのにも関わらず、どんな神仏を拝んでいるかは不明であり無頓着なのです。
しかし、それが日本文化として成り立っていますよね。

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日本は特殊ですよねぇ。無宗教の者が多い割には、宗教心を大切にする者がやけに多いです。
しかし、この表からすると、他の東アジア諸国でも結構似たような文化なんですね。
いろいろミックスされているのがアジア的宗教観なんでしょうか?

少しの間ですが、宗教心の強いマレーシアに住んでいるのでこの辺が感覚的に違和感があります。
ムスリムの国はどこもそうだと思いますが、仕事の合間にでもモスクに行ったりしますからね。
金曜なんかはムスリムの方がこぞってモスクへ行くため、
実労働時間が極端に減ってしまうので、ジョホールバルのように土日休みから、
金土休みに休日を変えるなどの対策をしている地方さえもあります。

かと思えば、日本のように宗教の話をすると白い目で見られる国も。
しかし、宗教心だけはあるので、
いたって中立な立場とも言えるでしょう。

こうした宗教文化は、一朝一夕で形成されたものではなく、
長い歴史の中で形成されてきた習慣文化だと認識しています。
しかし、先進国の多くのように、神は存在していないと断定している国も多く、
外国=宗教観を大切にしている、日本=宗教観を持っていないとは、
一概に断定できないと言えるでしょう。

マレーシアやトルコのようにムスリムの方が多い国からすれば不思議でしょうし、
東アジアの国々やフランスやドイツのようにあまり信仰していない国からすればいたって普通なのかもしれません。

まとめ

ある一方からしかモノを見ていないと、日本人の宗教観は異色なものになりますが、
表のある通り、意外と似たような宗教観の国ってあるんですね。

どちらが良い悪いではありませんが、宗教観に関しては日本も特段変わっているとは断言できないのかもしれません。

一つ言えるのは、しっかりとした宗教理解をすることで文化共生を推進し、
宗教間の対立が深刻化しないようにしていかなければならないということでしょう。